『夢見る水の王国』発売中!/6月27日、金沢で朗読会
- 寮美千子の新作長編ファンタジー『夢見る水の王国』、角川書店より上下2巻で刊行されました。絶賛発売中。
読み進めるにつれて読者の世界観が一変してしまう――そんな力を秘めた物語こそ、本物のファンタジーなのだと私は思う。澄明な驚きと旅への憧れに満ちた『夢見る水の王国』は、その最新にして最深の実例に他ならない。(東雅夫)
いつの間にか「剣と魔法の物語」になってしまった「ファンタジー」は、もともと幻想小説をさす言葉だった。この作品は、最近、妙に薄っぺらくなってしまったファンタジーを、もともとあった場所に力強く引き戻してくれた。ゆるやかに広がり、きりきりと胸に迫ってくる、寮美千子の最新作。ファンタジーが美しい牙をむいてこちらをにらんだような気がした。(金原瑞人) - イベントあります。
ファンタジーの力――「夢見る水の王国」出版記念・朗読&トーク
みなさま、ぜひお誘い合わせの上お越しください。
日時:6月27日(土) 18:00〜20:00
場所:金沢文芸館(金沢市尾張町1-7-10 電話 076-263-2444)
料金:100円(お茶・お菓子つき 特製絵はがきプレゼント)
主催:金沢文芸館
第33回泉鏡花文学賞受賞作家・寮美千子氏の、受賞後はじめての長編小説「夢見る水の王国」。地元誌「アクタス」に2年3カ月連載されたこの作品が、単行本になりました。金沢から生まれた新しい作品を記念して、作家自身による朗読とトークの会を開きます。作家と語る茶話会もご用意しておりますので、気軽におこしください。
イベント:6月6日、寮美千子新作『夢見る水の王国』発売記念朗読
- 5月28日、寮美千子の新作長編ファンタジー小説『夢見る水の王国』の単行本が発売になります。それを記念して、6月6日に、著者による朗読が行われます。会場は奈良ホテル近くの「大乗院庭園文化館」。すばらしいロケーションの、すてきな施設です。6月6日・7日に開催のイベント「ならまち大人の文化祭」の文芸特集の一つ。
http://narapress.jp/日時:6月6日(土) 14:00〜14:30
なお、当日、会場での本の販売はありません。サインご希望の方はそれまでに入手してお持ちください。
場所:大乗院庭園文化館(奈良ホテルから南に100m)
奈良市高畑町1083-1 電話 0742-24-0808
料金:入場・参加とも無料
主催:ならまち通信社
「泉鏡花文学賞」受賞後初の長編小説、角川書店より上下巻で5月28日発売。作家自身による自作朗読。
この日はこの朗読のほかにも、奈良の文芸に関するさまざまな催しがあります。「うた 万葉ジャズ演奏」「童話と詩で心を拓く・奈良少年刑務所の先進的矯正教育」「詩の朗読」「ポエトリー・リーディング・オープンマイク」「亜子米の詩のワークショップ」。
翌日の「奈良の文化特集」も面白い講演ばかりなので、ぜひご参加ください。
「ならまち大人の文化祭」のプログラム詳細は「ならまち通信社」のサイトに掲載しています。
イベント:11月29日、寮美千子の朗読&トーク@金沢ふるさと偉人館
- 「夢見る水の王国」連載完結を記念して、金沢ふるさと偉人館で【上出慎也「イラストの仕事」展】が開催されます。初日の11月29日は、午後4時からオープニングパーティーがあり、その場で作家と画家のトーク、そして朗読が行われます。
http://ryomichico.net/bbs/planets0014.html#planets20081119202352日時:11月29日(土) 9:30開場 16:00〜18:00
場所:金沢ふるさと偉人館(金沢21世紀美術館から南へ100m)
金沢市下本多町6-18-4 電話 076-220-2474
料金:300円(65歳以上200円、高校生以下無料)
主催:「イラストの仕事」展実行委員会 後援:北國新聞社 協賛:金沢ふるさと偉人館
2006年9月から『月刊北國アクタス』で連載されていた長編ファンタジー「夢見る水の王国」(寮美千子/作、上出慎也/挿絵)が、11月20日発売号でいよいよ最終回となりました。2年3箇月にわたり、全27回、1350枚の大作です。
連載完結を記念して、11月29日(土)から12月21日(日)まで、金沢ふるさと偉人館で【上出慎也「イラストの仕事」展】が開催されます。⇒チラシ画像
その初日に、画家と作家のトークイベント&オープニングパーティがあります。作家本人による「夢見る水の王国」のリーディング・パフォーマンスも。
みなさま、万障お繰合せの上、ぜひご来場ください。
※「夢見る水の王国」は、来年、角川書店より刊行の予定です。
「夢見る水の王国」連載第27回(完結)/月刊北國アクタス12月号
何ひとつ失われるものはない。連載第二十七回。ついに最終回。
すべては蔵されている。
大地の底の底、水の図書館に。
――ハルモニア博物誌より
前回までのあらすじ 祖父急逝のショックでマコとミコの二人に分裂した少女万美子。マコは木馬の角を奪い、すべてを捨てるため世界の果てを探しに行く。ミコはマコを追い木馬とともに伝説の島へ。島では月の神殿が少女を世界を滅ぼす「魔の童子」として手配していた。神官マニの手引きで、月の神殿に潜入したマコは、夢殿で大長老から斬りかかられ、角で刺してしまう。井戸から川へと逃れたマコは、角を抱いて水に流され続ける。透明になる力を得たミコはマコの後を追って月の神殿の町に潜入し事件を知る。その頃、島のあちこちで異変が……。少女ミコと木馬は月の神殿へ。そこでマニから事の顛末を聞かされ、ミコは一人でマコを追って“世界の果て”へ向かうことに。月が南中するまでに追いつくことができなければ、大変なことが起きてしまう。それまでに追いつき、角を取り返せるだろうか?
「月刊北國アクタス」12月号に掲載。オールカラー15ページ、挿絵2点入り。
小見出しは「十三夜の月の子守歌/怒号/柩の船/三角州/祈り/十四夜の月の子守歌/世界の果て/音のない泉/満潮/人々/南中/津波/回帰/銀の翼/蛍卵/故郷/日蝕/散骨/出発」。
⇒購入する(7&Y)
単行本は来年、角川書店より発売予定。
「夢見る水の王国」連載第17回/月刊北國アクタス2月号
夢のなかの夢は、メビウスの輪。連載第十七回。
光の物語と闇の物語をつなぐ。
――ハルモニア博物誌より
前回までのあらすじ 祖父急逝のショックでマコとミコの二人に分裂した少女万美子。マコは一角獣の角を奪って「世界の果て」へと逃走。ミコと一角獣はマコを追って幻の島へと渡る。島では少女は「魔の童子」として月の神殿から手配されていた。ミコは村長の葬列に加わり「世界の果ての黄泉帰りの森」へ行くが、追っ手が迫り、あやかしの棲む夢魔の森に逃げこむ。一方、砂漠で遭難しかけたマコは、死んだ猫の化身である黒豹ヌバタマに助けられ、地下水路を進む。しかし、そこにも神殿の魔の手が迫る。鉄砲水が押し寄せ黒豹は流されてしまう。地下水路で黒い水に押し流された黒豹のヌバタマは、間もなく水場から地上に脱出する。廃屋の井戸から逃れた少女マコは、廃墟のオアシスでヌバタマを捜す。月の神殿では、大長老の怪我と見えたものは「あやかし」とわかったが、異教徒の血を引く下っ端神官マニは、大長老は実際には怪我を負っているのではないかと疑う。
マコとヌバタマは夜を待って地上を進み、森の村へ。前日にミコと接した橋守りの老人から食べ物と情報を得る。一方、ミコと木馬は月の神殿の追手から身を隠しながら森の奥へと入り込んでいたところ、突然現れた「鴉頭」に鞄を奪われる。
「月刊北國アクタス」2月号に掲載。オールカラー15ページ、挿絵3点入り。
小見出しは「廃墟の町/有翼の天使/白と黒/笑う月/不吉な痕跡/砂漠の宝珠/異教徒の血/暗黒星雲/蜃気楼の森/本物の偽物/鴉頭」。
⇒購入する(7&Y)
番外:「父は空 母は大地」著作権侵害訴訟が決着!
【裁判上の和解】民事事件において、裁判所の面前でなされる和解。(略)原告もびっくりのスピード決着。
調書に記載されると確定判決と同一の効力が生ずる。
――広辞苑第五版より
前回までのあらすじ 『父は空 母は大地』の編訳者・寮美千子は、弁護士を通じて送った警告書を完全無視した岩井國臣前議員に対し、当該文章の使用停止と賠償金の支払い、謝罪などを求めて東京地裁に提訴した。訴訟代理人は著作権問題のプロ、福井健策弁護士。法律的には勝訴は間違いない見込みだが、しかし相手は警告書を無視してくるような人物だ。どんな展開になるかは予断を許さない。
- 9月18日に提訴して、11月6日が初公判。12月11日に第1回の「弁論準備」といって資料整理のための打合せみたいなことがあって、そのとき裁判長から和解勧告。翌週の20日の第2回弁論準備で和解成立。訴訟提起から3ヶ月で急転直下の決着となった。1年ぐらいはかかるものと覚悟していたのだが。
- 今回の和解内容は、ほぼ最初の訴状の請求に沿った内容。事実上、原告の全面勝訴と言ってよい。
- 和解(裁判上の和解)というのは、調書に書かれた内容に、確定判決と同じ効力がある。つまり、地裁判決だとお互い控訴する可能性があるが、和解だとそれがなく、和解の時点で裁判は完結する。また、判決では「謝罪する」といった項目は盛り込みにくいのだが、和解だとそうでもない。岩井氏のサイトには既に謝罪文が掲載されている(今後1年間継続)。
- 岩井國臣氏は、第三者が無断で改変した「父は空 母は大地」の文章を、出典の確認をとらずに著書やサイトに載せたり、講演で使ったりして、こんな結果になった。友達が「自分が書いたものだ」と言ってくれた文章だからといって、出典の確認を怠ってはいけない。今やだいたいのところはちょっと検索するだけで見当がつけられる。当然あるべき手間を惜しむと、結局は損だ。
- ところで、次の問題はその「第三者」だ。裁判所は、訴えの内容に入ってないことについては判断を示さないので、今回、その第三者に罪があるかどうかは言ってないが。さて、どうしたものか。
- 実は、今回の裁判で名前が浮上した人物のほかにも、自分が訳したと称して寮美千子版の「父は空 母は大地」を講演などで使っている人がいるようなのだ。なんでちゃんと言わないで「自分が訳した」とか言っちゃうのかなあ。心の中に、どういう病理があるのかなあ。
- 今回のプレスリリースはこちら(Cafe Lunatique)。
イベント:1月19日、寮美千子の朗読&トーク@金沢文芸館
- 1月19日から「夢見る水の王国」の挿画原画展が金沢文芸館で開催されます。
初日に、オープニング・イベントとして、著者によるリーディング・ライブと、画家さんとの対談が行われます。【上出慎也「夢見る水の王国」原画展/寮美千子朗読&トーク】
http://www2.spacelan.ne.jp/~bungeikan/yumemirumizunosekai.html
日時:1月19日(土)〜2月18日(月) 火曜休館 11:00〜18:00
場所:金沢文芸館
(JR金沢駅から北陸鉄道バス・JRバスで「尾張町」または「橋場町」徒歩3分/
「城下町金沢周遊バス」「金沢ふらっとバス(此花ルート)」も利用可)
金沢市尾張町1−7−10/電話 076−263−2444
料金:文芸館入館料100円(高校生以下無料)
主催:金沢文芸館/メール bungeikan@m2.spacelan.ne.jp
オープニングイベント「夢見る水の世界」【寮美千子朗読会&画家と作家の対談】
1月19日(土)18:30〜 予約不要
というわけで、連載もいよいよ盛り上がっている「夢見る水の王国」の挿絵原画展です。初日は、連載第十七回の載った「アクタス」2月号の発売日。
初日にはオープニングイベントもあります。お近くの方は万障お繰合せになって、遠くの方はこの機会に冬の(食べ物が最高においしい、21世紀美術館も兼六園もある)金沢へ、ぜひ足をお運びください。
寮美千子サイト・イベント告知掲示板「遊星たちの消息」より