「夢見る水の王国」連載第7回/月刊北國アクタス4月号
夢は、見られただけではただの夢でしかない。連載第七回。
読み解かれた時、新たな物語に生まれ変わる。
――ハルモニア博物誌より
前回までのあらすじ 少女マミコは祖父と二人、海辺の別荘で暮らしてきた。母のいない寂しさを感じながらも、祖父に愛され満ち足りた日々。ある朝、マミコは、渚に漂着した木馬と、壊れたその角を見つける。それを知らせようと家に向かうと、祖父が海岸に倒れていた。息絶えた祖父。驚愕のあまり記憶を失うマミコ。気がつくと、マミコは時の止まった海岸にいた。マミコのまっ黒な影が立ちあがって分身となり、悪魔の子マコと名のる。マコは角を抱き「世界の果てに名前と角を捨てに行く」と言い、海の上を走って水平線の彼方へと逃げていった……。いよいよ幻想世界への旅立ち。“夢見”の少女は、“夢読み”の馬(一角獣で木馬)と二人、壮絶な光景のなか、奪われた“名前”と“角”を取り戻すため、もう一人の少女を追いはじめる。時の止まった海。ハルモニアへのゲートが開く。
「月刊北國アクタス」4月号に掲載。オールカラー15ページ、挿絵3点入り。
小見出しは「旅立ち/迷い鳥/水読みの行/歓びの泉/水読み/視線/海の草原/木馬の子守唄/暖炉のある部屋/夢の鏡/闇の迷い子」。