「楽園の鳥」+「夢見る水の王国」メモ

松永洋介が作成した、寮美千子の長編小説『楽園の鳥 ―カルカッタ幻想曲―』(講談社2004)と、その作中ファンタジー『夢見る水の王国』(上下、角川書店2009)についてのメモ。作中のガンジス神話は『天からおりてきた河 インド・ガンジス神話』として絵本化(山田博之・画、長崎出版2013)。

「夢見る水の王国」連載第10回/月刊北國アクタス7月号

ysk2007-06-20

誰も、そこへ戻ることはできない。
ただ前に進んで、再び行きつくことができるだけだ。
   ――ハルモニア博物誌より
連載第十回。
前回までのあらすじ 祖父と二人暮らしの少女マミコは、祖父急逝のショックで、ミコとマコの二人の少女に分裂してしまう。傷ついた心を持つマコは、少女が渚で見つけた一角獣の角を奪い「名前と角を世界の果てに捨てる」と言い捨て、海の彼方へ逃げていった。名前を奪われ記憶を失ったミコは、ただの馬となりはてた一角獣ともに、マコを追跡して幻の島に渡る。
 島には、少女の顔の映じた雲母を持つ、老鉱夫がいた。一足先に着いたマコは、すでに逃亡。ミコは老鉱夫から、島が外輪山の堤防に守られた、海抜より低い土地であることを知らされる。
アイテム、ゲットだぜ! 旅に便利な各種の道具を老鉱夫からいただく。まるでRPGの場面。もらった本人はもちろん、読んでる読者もうれしい感じ。先を急ぐ少女と馬は、鉱夫と別れ、列柱の遺跡を抜けて、町へと向かう。写真のイラストは、町の北の入口の「双頭亀の門」。
「月刊北國アクタス」7月号に掲載。オールカラー15ページ、挿絵3点入り。
小見出しは「贈り物/返礼/前進/残像/手紙/回帰/虹の柘榴石/環状列石/天女の翼/手紙/心がかり/逍遥/遺跡の町/迷路の村」。
⇒購入する(7&Y)