番外:寮美千子編訳『父は空 母は大地』が盗用されている
- 百五十年前のアメリカ先住民首長のスピーチをもとにした『父は空 母は大地』は、エコロジー思想の神髄を伝える絵本。それが建設族の自民党参議院議員に、無断で、しかも「建設こそ自然との共生」というような主張の補強に使われているとなれば、具合が悪い。もし協力者だと思われでもしたら、著者としてはサイテーの事態だ。
- 歴然たる著作権侵害なので、内容証明を出したら「知りません」という、謝罪なしの返答。そこで弁護士を通じて今度は警告書を送ったら、完全無視。
- 警告書に書いてあった通りに事態を公表。東京新聞に記事が掲載された。
岩井氏は三十日、本紙の取材に「文章は四、五年前に三重県の方から教えてもらった。指摘のあった本の存在も知らない」とした上で、「英文では広く一般に流布している」として著作権侵害に当たらないと述べた。その一方で「作家側の主張に納得できれば、その認識を改めることもやぶさかでない」と話した。
東京新聞:岩井前議員、無断転載か 絵本の文、作家が警告書:社会(TOKYO Web) - 「父は空 母は大地」については、従来、ウェブやメールで、コピペの野良テキストが出回っていた。しかし、「メッセージが広まれば」という気持ちもあって黙認されてきた。
- しかし、建設省河川局長などという開発推進の総本山の親玉のOBの国会議員が、開発の論理の正当化のために使うとなると話が違う。
- 岩井国臣氏は、重ねての通知にもきわめて無責任な対応。百歩譲って、最初は本人の意図しない著作権侵害だったとしても、そのことを知ってからも侵害行為を継続しているのは悪質。
- 今後の展開に要注目。
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