「楽園の鳥」+「夢見る水の王国」メモ

松永洋介が作成した、寮美千子の長編小説『楽園の鳥 ―カルカッタ幻想曲―』(講談社2004)と、その作中ファンタジー『夢見る水の王国』(上下、角川書店2009)についてのメモ。作中のガンジス神話は『天からおりてきた河 インド・ガンジス神話』として絵本化(山田博之・画、長崎出版2013)。

「夢見る水の王国」連載第27回(完結)/月刊北國アクタス12月号

ysk2008-11-20

何ひとつ失われるものはない。
すべては蔵されている。
大地の底の底、水の図書館に。
   ――ハルモニア博物誌より
連載第二十七回。ついに最終回。
前回までのあらすじ 祖父急逝のショックでマコとミコの二人に分裂した少女万美子。マコは木馬の角を奪い、すべてを捨てるため世界の果てを探しに行く。ミコはマコを追い木馬とともに伝説の島へ。島では月の神殿が少女を世界を滅ぼす「魔の童子」として手配していた。神官マニの手引きで、月の神殿に潜入したマコは、夢殿で大長老から斬りかかられ、角で刺してしまう。井戸から川へと逃れたマコは、角を抱いて水に流され続ける。透明になる力を得たミコはマコの後を追って月の神殿の町に潜入し事件を知る。その頃、島のあちこちで異変が……。
少女ミコと木馬は月の神殿へ。そこでマニから事の顛末を聞かされ、ミコは一人でマコを追って“世界の果て”へ向かうことに。月が南中するまでに追いつくことができなければ、大変なことが起きてしまう。それまでに追いつき、角を取り返せるだろうか?

「月刊北國アクタス」12月号に掲載。オールカラー15ページ、挿絵2点入り。
小見出しは「十三夜の月の子守歌/怒号/柩の船/三角州/祈り/十四夜の月の子守歌/世界の果て/音のない泉/満潮/人々/南中/津波/回帰/銀の翼/蛍卵/故郷/日蝕/散骨/出発」。
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単行本は来年、角川書店より発売予定。