「楽園の鳥」+「夢見る水の王国」メモ

松永洋介が作成した、寮美千子の長編小説『楽園の鳥 ―カルカッタ幻想曲―』(講談社2004)と、その作中ファンタジー『夢見る水の王国』(上下、角川書店2009)についてのメモ。作中のガンジス神話は『天からおりてきた河 インド・ガンジス神話』として絵本化(山田博之・画、長崎出版2013)。

日刊ゲンダイに書評掲載

  • 日刊ゲンダイで紹介されたようです。
    楽園の鳥カルカッタ幻想曲』著:寮美千子 19cm / 2730円 / 講談社

    灼熱の地で激しく交錯する男女の情念

     ミチカは、30代の童話作家。10年の結婚生活に終止符を打ってから迎える2度目のクリスマス。かつてよく通った店に顔を出してみると、懐かしい面々の中にニュージーランド生まれのディオンと名乗る青年がいた。彼は会ったばかりのミチカから強引に電話番号を聞き出す。翌日、ディオンから電話があり、ミチカの近所に職を見つけたという。この強引さは、孤独という深い闇の中に沈んでいたミチカを光のもとに引きずり出し、2人は急速に接近していく。
     しかし、蜜月生活もつかの間、徐々に2人の間に溝ができていく。それを打破すべく、灼熱の地カルカッタへと2人は旅立つのだが、この旅でも溝が埋まることはなく、やがてディオンはミチカの前から姿を消す。ディオンを失ったミチカはあてどなくアジア各地をさまよい、さらなる闇へと踏み込んでいく。アジアを舞台に激しく交錯する男女の情念を描いた恋愛紀行小説。
    日刊ゲンダイ」掲載日不明
    現物は未確認です。