「楽園の鳥」+「夢見る水の王国」メモ

松永洋介が作成した、寮美千子の長編小説『楽園の鳥 ―カルカッタ幻想曲―』(講談社2004)と、その作中ファンタジー『夢見る水の王国』(上下、角川書店2009)についてのメモ。作中のガンジス神話は『天からおりてきた河 インド・ガンジス神話』として絵本化(山田博之・画、長崎出版2013)。

2006-01-01から1年間の記事一覧

「夢見る水の王国」連載第4回/月刊北國アクタス1月号

頭蓋に月が棲んでいるので、猫の目は光る。王の闇には、双子の月が巡る。 ――ハルモニア博物誌より連載第四回。前回までのあらすじ 会計士を引退し、海辺の別荘で黒猫を友に悠々自適の暮らしをしていた香月耿介(かつきこうすけ)のもとに、突然、娘の美沙(…

「夢見る水の王国」連載第3回/月刊北國アクタス12月号

貝の螺旋は永久に続き、その奥には無限の領地がある。螺旋の果ては、もう一つの国へと開かれた門。 ――ハルモニア博物誌より連載第三回。前回のあらすじ 早くに妻を亡くした敏腕会計士の香月耿介(かつきこうすけ)は、娘を全寮制の学校に預け、気ままに暮ら…

『文学賞メッタ斬り!リターンズ』で紹介

『楽園の鳥』が、『文学賞メッタ斬り!リターンズ』(大森望・豊崎由美、パルコ、2006年8月刊)で紹介されました。といっても本編でなく「巻末特別付録 ’04〜’06年版・文学賞の値うち 文学賞受賞作品を、点数で斬る!」というページ。以下のような…

「夢見る水の王国」連載第2回/月刊北國アクタス11月号

雲母は虹の隠れ家、極光(オーロラ)を宿す子宮。すべての雲母には、夢を吸収するという作用がある。 ――ハルモニア博物誌より連載第二回。前回のあらすじ 香月万美子(かつきまみこ)は新進のオペラ歌手。音楽ホールの柿落としのコンサートに出演するため、…

「夢見る水の王国」連載第1回/月刊北國アクタス10月号

月は迷っている。迷わなかった月など、ひとつもない。だから、いまも夜ごとに形を変え、ひとときとして留まることがない。 ――ハルモニア博物誌より『楽園の鳥』の作中作として登場していたファンタジー小説「夢見る水の王国」。構想十五年の超大作。ついに商…

宇山日出臣氏死去

『楽園の鳥』を単行本として世に出した宇山日出臣さんが亡くなりました。ご冥福をお祈りします。 各紙訃報:元講談社文芸局第三出版部長の宇山日出臣さん死去(asahi.com)2006年08月05日23時34分 宇山 日出臣さん(うやま・ひでおみ=元講談社文芸局第三出…

イベント:2月14日、受賞記念朗読幻燈会@渋谷

2月14日、渋谷で「楽園の鳥」リーディング・ライブの開催が決定しました。単行本カバーにも使われている門坂画伯の細密版画を投影しつつ、著者本人による朗読パフォーマンスです。【泉鏡花賞受賞記念スペシャル朗読幻燈会 寮美千子×門坂流『楽園の鳥』】…