泉鏡花賞/さらに
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泉鏡花文学賞 受賞の寮さん喜び/「夢のようで 言葉ない」(asahi.com:マイタウン石川)
第33回泉鏡花文学賞(金沢市主催)を受けた寮美千子さん(49)=写真、神奈川県相模原市在住=は「鏡花の作品の言葉の美しさや心の深さに胸打たれてきた。夢のようで言葉が出ない」と喜びを語った。近年は著名作家や他の文学賞受賞者が選ばれる傾向にあったが、選考委員で作家の五木寛之さんは「三十数年ぶりに野心的な作家を発掘できた。新しい金沢文芸のムーブメントになれば」と期待を示した。
受賞作は長編小説「楽園の鳥 カルカッタ幻想曲」(講談社)。選考委員で泉鏡花記念館名誉館長の泉名月さんが「詩情あふれる作品」「4次元の世界を感じさせる新しい作家」と強く推薦し、5人の選考委員が一致して決めた。
五木さんは「自分の本当の魂を発見する旅路がテーマ。アジアの人々の暮らしぶりの荒涼たる感覚がよく書かれている。宇宙、歴史、時間を考えさせられた」と受賞理由を述べた。
寮さんは東京都生まれ。外務省、広告制作会社勤務、フリーのコピーライターを経て、86年に毎日童話新人賞を受賞、童話作家としてデビューした。代表作に絵本「イオマンテ」「父は空 母は大地」、小説「小惑星美術館」「ノスタルギガンテス」など。受賞作は大人向けの初の小説だった。
同賞は、昨年8月から今年7月までの1年間に単行本として刊行された小説、戯曲、民話、童話の文芸作品が選考対象。今年は作家や文芸評論家、出版社などから49作品が推薦された。
授賞式は11月22日、市文化ホールで開かれる。
(10/19)
【顔写真あり】