「楽園の鳥」+「夢見る水の王国」メモ

松永洋介が作成した、寮美千子の長編小説『楽園の鳥 ―カルカッタ幻想曲―』(講談社2004)と、その作中ファンタジー『夢見る水の王国』(上下、角川書店2009)についてのメモ。作中のガンジス神話は『天からおりてきた河 インド・ガンジス神話』として絵本化(山田博之・画、長崎出版2013)。

「夢見る水の王国」連載第17回/月刊北國アクタス2月号

ysk2008-01-20

夢のなかの夢は、メビウスの輪
光の物語と闇の物語をつなぐ。
   ――ハルモニア博物誌より
連載第十七回。
前回までのあらすじ 祖父急逝のショックでマコとミコの二人に分裂した少女万美子。マコは一角獣の角を奪って「世界の果て」へと逃走。ミコと一角獣はマコを追って幻の島へと渡る。島では少女は「魔の童子」として月の神殿から手配されていた。ミコは村長の葬列に加わり「世界の果ての黄泉帰りの森」へ行くが、追っ手が迫り、あやかしの棲む夢魔の森に逃げこむ。一方、砂漠で遭難しかけたマコは、死んだ猫の化身である黒豹ヌバタマに助けられ、地下水路を進む。しかし、そこにも神殿の魔の手が迫る。鉄砲水が押し寄せ黒豹は流されてしまう。
地下水路で黒い水に押し流された黒豹のヌバタマは、間もなく水場から地上に脱出する。廃屋の井戸から逃れた少女マコは、廃墟のオアシスでヌバタマを捜す。月の神殿では、大長老の怪我と見えたものは「あやかし」とわかったが、異教徒の血を引く下っ端神官マニは、大長老は実際には怪我を負っているのではないかと疑う。
マコとヌバタマは夜を待って地上を進み、森の村へ。前日にミコと接した橋守りの老人から食べ物と情報を得る。一方、ミコと木馬は月の神殿の追手から身を隠しながら森の奥へと入り込んでいたところ、突然現れた「鴉頭」に鞄を奪われる。

「月刊北國アクタス」2月号に掲載。オールカラー15ページ、挿絵3点入り。
小見出しは「廃墟の町/有翼の天使/白と黒/笑う月/不吉な痕跡/砂漠の宝珠/異教徒の血/暗黒星雲/蜃気楼の森/本物の偽物/鴉頭」。
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